マイクロパルス(CYCLO G6)とは

レーザー本体:CYCLO G6
経強膜毛様体光凝固専用プローブ:マイクロパルス P3 プローブ、Gプロープ
【仕様】
・治療光:810nm
・連続波(CWモード)とマイクロパルス波(MPモード)
・治療光最大出力:3000mW
※CYCLO G6は、2015年にFDA(アメリカ食品医薬品局(FDA)は、アメリカ合衆国保健福祉省配下の政府機関。連邦食品・医薬品・化粧品法を根拠とし、医療品規制、食の安全を責務とする組織)の承認を受けております。
マイクロパルスとは
○連続波の照射時間を、より短くすることができる技術
照射時間 msec単位の制御を、μsec単位に(照射時間を短くする技術)
○照射時間のOFFタイムに、熱の冷却が行われ、温度上昇がおこりにくくなる。

マイクロパルスの仕様目的
○毛様体へ熱を与えることにより、 緑内障を治療するレーザー光凝固装置
1.連続波による経強膜毛様体光凝固
2.マイクロパルス波(MP)を使用した低エネルギーな経強膜毛様体光凝固
【期待する治療効果】
緑内障の治療のために眼圧上昇の原因となる房水産生と流出に対して、毛様体にレーザー光凝固を行う事で、房水の産生を抑制させる・房水流出を促す効果を期待して実施する治療です。
※さまざまな病型で眼圧下降効果は得られています、ただし、研究N数が少なく、病型・病期ごとの治療効果の違いについては研究がすすんでいません。
※まずは、低侵襲な治療としてGプローブの代わりにお使いください。Gプローブの適応は、難治性緑内障患者または視野/視力を著しく 悪化している緑内障患者です。
専用プローブの概要
マイクロパルス P3 プローブ
CYCLO G6に搭載されたマイクロパルスP3プローブは、低エネルギーでの治療であるため、重篤な合併症がなく、合併症の発生率が低いと考えられ、また、毛様体扁平部の細胞を刺激しますが、破壊してしまうことはなく、再治療が可能です。原発開放隅角緑内障など(様々な病型・Stage)の治療に実施されます。
Gプローブ(CW連続波)
奏効機序(そうこうきじょ:効果が現れること)が明確であるが侵襲性が強く、重篤な合併症の可能性があります。また、毛様体皺襞部の細胞の破壊を行ってしまうため治療は1回と限定されます。難治性の緑内障に実施されます。
マイクロパルスP3プローブのあて方
【流れ】1.プローブを結膜/強膜に対して垂直に支持する
2.結膜/強膜にプローブをボールペンで文字を書く程度の筆圧で押しこむ
3.3時と9時の位置を避けて、結膜上を角膜輪部に沿って滑らせ、照射し続ける
参考:Gプローブとの比較
【流れ】
1.プローブを視軸に対して並行に支持する
2.結膜/強膜にプローブを押し込む
3.ポップ音を目安に出力を決め、1点1点、レーザー照射を行う。
マイクロパルスP3プローブの特徴
•非切開・非観血治療で、低侵襲な治療
•合併症の発生率は低くい
•重篤な合併症がない
•様々なステージの緑内障に適応
•薬物治療との併用も可能
•反復治療可能
•外科的手術後の眼圧コントロールも可能
•効果が得られなかった際には、非切開であるため外科的手術への移行も可能
海外での治療実績
シンガポール国立大学
18ヶ月後の眼圧下降率
シンガポール国立大学(NUHS)によれば
•18カ月後の眼圧下降率33%
•薬剤61%に減少(2.1から1.3剤へ)
•1.3回の治療で、成功率73%
※N=38
成功の定義:最終のフォローアップ時にIOPが6-21mmHgに維持されること、
またはベースラインから30%の眼圧下降を維持されること。
78ヶ月後の成功率と眼圧下降率
シンガポール国立大学(NUHS)によれば
•78カ月後の成功率67%。
•その際の眼圧下降率39%
•不成功であった33%では眼圧下降率17%
※N=14
2014年の発表
2014年の発表では
•Gプローブによる治療と同等の眼圧下降効果が得られている。
•治療成功率は75%と高く、低眼圧症の発生は0件
※N=24づつ
13/19
成功の定義:眼圧を下降させる薬物療法の有無にかかわらず、6〜21㎜Hgの眼圧と最終的なフォローアップ時に眼圧が少なくとも30%の下降を示すこと。
海外での報告
マイクロパルスP3プローブでの術前術後のUBM所見
形態学的変化または隣接構造の破壊の証拠は観察されない。
⇒毛様体破壊でない機序による眼圧下降を示唆


緑内障治療に与えるメリット
•非切開・非観血治療で、低侵襲な治療
•合併症の発生率は低く、重篤な合併症がない
•様々なステージの緑内障に適応
•薬物治療との併用も可能
•反復治療可能
•外科的手術後の眼圧コントロールも可能
•効果が得られなかった際には、非切開であるため外科的手術への移行も可能

予想される合併症
予想される合併症例
・炎症:抗炎症薬を処方します。
・疼痛:痛み止めを処方します。
・散瞳:通常数カ月で術前ベースラインに回復します。
ファイバー先端部が角膜に近すぎると起り得る合併症例
・角膜上皮障害、角膜内皮障害 、角膜浮腫 等
エネルギー量が多すぎると起り得る合併症
・過凝固等
よくある質問
どんな方が毛様体レーザー凝固術の対象になりますか?
点眼や内服で十分に眼圧コントロールが得られない方、薬の副作用やアドヒアランスの問題がある方、術後や既存手術後でも眼圧が高い方などが検討対象になります。 マイクロパルス(P3)は非切開・低侵襲で幅広い病期に適応しやすく、従来の連続波(Gプローブ)は難治例での適応が中心という住み分けがあります。 眼底の状態や視機能、角膜・水晶体の条件も踏まえて、他のレーザーや濾過手術との比較で最適な選択を行います。
マイクロパルス方式は何が「やさしい」のですか?連続波との違いは何ですか?
マイクロパルスは照射を極短時間ON/OFFで細かく分割し、OFF時間に熱が冷めるため過度な温度上昇を避けやすい設計です。 これにより毛様体を「破壊」せずに刺激して房水産生を抑える・流出を促す効果を狙い、重篤な合併症が少なく反復治療もしやすいのが特徴です。
期待できる眼圧下降効果と持続期間はどの程度ですか?再治療は可能ですか?
眼圧下降は個人差・病型差がありますが、海外報告では中期で2〜4割程度の低下が示され、薬剤数の減少も併発する例があります。 効果は時間とともに薄れることがあり、その際は低侵襲の特性を生かしてマイクロパルスで反復照射が検討できます。 効果判定は定期的な眼圧測定・視機能評価で行い、必要に応じて薬物・他手技と組み合わせます。
手技の流れと所要時間、痛みはどのくらいですか?
点眼麻酔を行い、プローブを結膜・強膜に垂直に軽い筆圧で当て、角膜輪部に沿って3時と9時を避けて滑らせるように照射します。 照射自体は数分程度で、外来で非切開に実施します。違和感や軽い痛みを感じることがありますが、多くは鎮痛点眼や内服で対応可能です。
術後の生活での注意点はありますか?仕事や運転の再開目安も教えてください。
当日は入浴や洗顔で特に制限なく、指示された抗炎症薬や必要時の疼痛・眼圧薬を点眼・内服してください。 数日は強い目こすりや激しい運動を避け、見え方の急な変化や強い痛み、頭痛・吐き気があればすぐ受診します。 視界が安定し医師の許可があれば、デスクワークは翌日以降、運転は安全が確認できてから再開します。
どんな合併症がありますか?重篤なリスクはどの程度ですか?
一過性の炎症や疼痛、散瞳などが起こり得ますが、多くは対症療法で軽快します。
ほかの緑内障手術や白内障手術との前後関係は?併用は可能ですか?
マイクロパルスは非切開・反復可能という性質から、薬物療法の補強や、濾過手術・ MIGS 後のコントロールにも応用できます。 効果不十分な場合も組織破壊が軽微なため、後日ほかの外科手術へ移行しやすいという利点があります。 予定手術の有無やタイミングを考慮して、全体の治療計画の中で位置づけます。
費用や保険、通院スケジュールはどうなりますか?
本治療は保険診療での実施が可能で、自己負担は年齢・負担割合で異なります(詳細は個別にご案内します)。 通常は術後の眼圧モニタリングを早期に行い、その後も定期通院で眼圧・炎症の推移を確認し、必要に応じて薬剤や追加治療を調整します。 家計影響や仕事予定に合わせ、反復照射の要否・タイミングを含めて相談しやすいのがマイクロパルスの利点です。




















